メンタル不調(精神病・うつ病)の配偶者と離婚することはできるか 弁護士が解説

メンタル不調は離婚理由になるのか

はじめに

 配偶者がメンタル不調になった場合、当初は、婚姻関係を維持しようとして努力を続けても、配偶者の症状が回復しなかったり、症状が悪化するなどして、離婚を考える場合もあると思います。
 ここでは、配偶者のメンタル不調が、軽度のうつ病(通院治療はするものの、日常生活に支障がない程度のもの)であることを前提として、説明します。

配偶者のメンタル不調は、離婚理由になるのでしょうか。  

 民法は、離婚原因として以下の4点を挙げています。
   ①配偶者に不貞な行為があったとき
   ②配偶者から悪意で遺棄されたとき
   ③配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
   ④その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

  
 従前は、配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがないときが離婚原因とされていましたが、民法改正により、この規定は削除されました(令和8年4月1日に施行されます)。

メンタル不調の配偶者と離婚をする方法

協議離婚

 協議離婚をするためには、当事者の合意が必要ですが、法定の離婚原因は必ずしも必要ではありません。
 夫婦で、合意ができれば、協議離婚をすることができます。
 もっとも、夫婦の間で合意に達しないときには、協議離婚は成立しません。

調停離婚

 離婚調停手続では、家庭裁判所に調停の申立をして、調停期日に、離婚について、調停委員の先生を介して話し合いをします。
 調停手続において、合意に達すれば、離婚が成立します。
 調停離婚をするにあたり、当事者で離婚することやその条件などについて合意に達する必要がありますが、法定の離婚原因は必ずしも必要ではありません。
 もっとも、当事者間で合意に達しないときには、調停離婚は成立しません。

裁判離婚

 裁判離婚においては、被告が離婚を争った場合、判決で離婚が認められるためには、法定の離婚原因が認められることが必要になります。
 メンタル不調の配偶者と離婚するにあたり、単に配偶者がメンタル不調になっただけでは、通常、離婚原因とならないと考えられます。
 そのうえで、配偶者の具体的な言動や別居期間の長さなどが、婚姻を継続し難い重大な事由に該当することを主張していくことになると考えられます。

メンタル不調の配偶者との離婚

 まず、配偶者との間で、離婚について、話し合いをすることが多いと思います。
 配偶者との間で、離婚について合意に達すれば、離婚届を市区町村役場に提出して離婚が成立します。
 もっとも、離婚について合意に達しない場合には、離婚調停の申立を検討することが多いです。
 離婚調停の手続において、調停期日において、当事者が合意に達すれば、裁判官の面前で、調停条項を確認し、離婚が成立します。
 離婚調停において、離婚が成立せず、不成立となった場合、離婚を求める側は、離婚訴訟の提起を検討します。
 離婚訴訟において、原告は、離婚原因を主張し、争いのある事実関係については、立証するために証拠を提出するなどします。
 訴訟において、当事者が合意に達し、和解が成立すれば、離婚が成立します。
 和解に至らない場合には、通常、判決になります。
 離婚を認める判決が確定すれば、離婚が成立します。

メンタル不調の配偶者と離婚をする際の注意点

 メンタル不調の配偶者と離婚するにあたっては、当事者間で話し合って離婚に至れば、問題ありませんが、当事者で話し合っても離婚に至らない場合、調停の申立を検討する場合が多いです。
 離婚調停が不成立となった場合、離婚を求める側は、離婚訴訟を提起することを検討することが多いです。もっとも、メンタル不調そのものは、離婚原因に該当しないと考えられますので、離婚訴訟において、相手方が離婚を争った場合、配偶者の具体的な言動や別居期間の長さなどが婚姻関係を継続し難い重大な事由に該当することを主張、立証する必要があります。
 離婚後の相手方の生活にも、配慮が必要になる場合もあると考えられます。

メンタル不調での離婚を弁護士に依頼するメリット

 メンタル不調の配偶者が離婚に応じない意向を示している場合、離婚調停になる可能性があります。離婚調停で相手方が離婚に応じない場合、離婚訴訟を提起することになる可能性があります。
 離婚調停を弁護士に依頼すれば、弁護士は、代理人として、期日に同席をします。ご依頼者の方は、その場で弁護士に確認をしながら手続を進めることができます。
 離婚訴訟について、弁護士を代理人に依頼すれば、弁護士は、ご依頼者の方と打ち合わせをしながら、準備書面などの書面や、証拠を提出します。訴訟期日については、原則として、弁護士のみが出席します。ただし、ご依頼者の方にご出席をお願いする場合もあります。
 ご依頼者の方は、そのときの状況に応じて、どのように手続を進めていってよいか、弁護士に相談をしながら手続きをすすめることができます。また、ご依頼者の方は、裁判所にどのような主張をしたらよいか、どの証拠を提出したらよいか、弁護士と打ち合わせをしながら進めることができます。

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