財産分与と慰謝料との関係

財産分与と離婚に伴う慰謝料請求権は、どのような関係にあるのでしょうか。
財産分与請求権については、
①婚姻中に形成した夫婦共同財産の精算
②離婚後の相手方の扶養
③離婚による精神的苦痛に対する慰謝
の3つの要素があると考えられます。このうち、①が中心的な要素となります。

最高裁判所の裁判例のなかには、
「財産分与として、右のように損害賠償の要素をも含めて給付がなされた場合には、さらに請求者が相手方の不法行為を理由に離婚そのものによる慰謝料の支払を請求したときに、その額を定めるにあたっては、右の趣旨において財産分与がなされている事情をも斟酌しなければならないのであり、このような財産分与によって請求者の精神的苦痛がすべて慰謝されたものと認められるときには、もはや重ねて慰謝料の請求を認容することはできないものと解すべきである。
しかし、財産分与がなされても、それが損害賠償の要素を含めた趣旨とは解せられないか、そうでないとしても、その額および方法において、請求者の精神的苦痛を慰謝するには足りないと認められるものであるときには、すでに財産分与を得たという一事によって慰謝料請求権がすべて消滅するものではなく、別個に不法行為を理由として離婚による慰謝料を請求することを妨げられないものと解するのが相当である。」旨判示したものがあります。

なお、当事務所が離婚調停、離婚訴訟を受任する場合には、財産分与、慰謝料その他相手方に対する請求について、よく確認、検討したうえで、離婚調停を申し立てたり、離婚訴訟を提起したりしています。
また、離婚調停が成立した場合には、通常、精算条項を定めます。

 

いったん離婚調停が成立した場合、調停成立後に慰謝料を請求することは、精算条項において慰謝料を除く旨が明確に定められていない限り、通常、認められないと考えられます。

離婚調停が成立する場合、どのような内容の合意、和解が成立するのか、よく確認し、納得したうえで、調停を成立させる必要があると思います。

詳しくは弁護士にご相談ください。

当事務所が執筆したコラムです。是非ご覧下さい。

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35  森川亮氏講演
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39  内縁関係の解消による財産分与の規定
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42  利益相反行為と遺産分割の協議
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44  財産分与として不動産を譲渡する場合と税金
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58  離婚協議書作成のポイント④財産分与
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